村岡到:総選挙 共産党に投票を――共産党は柔軟な選挙戦術を 2003年10月16日
「稲妻」第350号=2003年10月10日号
10月10日に国会が解散され、政局は10月29日告示、11月9日投票の総選挙に突入した。マニュフェスト選挙などと命名されて自民党と、自由党を合併した民主党との対決・選択だけに収斂させようと、両党もマスコミも必死である。自民党総裁に再選された小泉純一郎首相は、05年の自民党大会までに憲法改正案を作ると打ち出し、改憲の意図を顕わにした。イラク特措法を延長して、日に日に戦争の様相を強めているイラクに自衛隊派兵を年内に強行する勢いである。
衆議院は小選挙区300と11ブロックの比例代表180の議席となっている。
日本共産党は、改憲反対と消費税増税反対を2大争点にして、300の全選挙区で立候補して現有20議席確保にむけて闘っている。18議席の社民党も党の存亡を賭けている。政党要件を失った新社会党は社民党と選挙協定を結んで立候補する。だが、新左翼系諸党派は立候補する力はなく、国政の重要な機会にそっぽを向いている。
私たちは、共産党への投票を呼びかける。ただだし、社民党や新社会党の候補で当選の可能性がある場合にはその候補への投票を呼びかける。
民主党は、選挙ポスターに「つよい日本を」と掲げてあることにも明らかなように、自民党政治と真に対決する勢力ではない。小泉構造改革とスピードを競ったり、衆議院の比例区を80議席減らすなどの方針は、この党が民主政をまったく理解していないことを意味している。2大政党制が理想であるなどというのは大きな錯覚にすぎない。現在の日本で民意がもっともよく反映する選挙制度は、中選挙区比例区代表制である。
すでに遅きに失しているとはいえ、私たちは共産党に、次のような選挙戦術を提案する。いくつかの選挙区で当選の可能性のある社民党や新社会党の候補の当選のために自党の候補を降ろして選挙協力を展開することである。そのさいこれまでのように政策協定を結ばないと先に進まないというやり方を止める必要がある。長野知事選をはじめとしてすでにこの方式は捨てている場合もあるから、できないことではない。この場合、そうなった選挙区では社民党や新社会党の支持者は比例区では共産党に投票するとか、別の選挙区で逆に当選の可能性のある共産党候補に投票することが望ましい。仮に、後者のいわば見返りがなくても、共産党はこの戦術を行使すべきである。「報いられることを期待せぬ献身」という言葉があったように、もともと前衛党とは全体の利益のためにわが党の利益を犠牲にすることによって闘いぬく組織であるべきなのである。
共産党がこの戦術を展開するとどうなるのか。まず、国会内の改憲阻止議員の数を一つでも二つでも増やすことができる。さらに決定的なことは共産党の評価を飛躍的に高めるであろう。そのプラスは、選挙区で独自候補を立てることによってそこでの比例区の得票を増やす効果よりもはるかに大きいであろう。
もし私たちにさらに能力があれば、抽象的に前記のように提起するだけではなく、具体的に選挙区と人名をあげて、その戦術を提起すべきなのであるが、私には調査能力はない。選挙の争点について一言だけ示せば、改憲反対と消費税増税反対に加えて、「やさしい社会を」を対置し、経済成長ではなく、徹底した労働時間の短縮による雇用の確保、軍事費の削減、社会の軍事化反対を掲げることが必要だと、私たちは考える。
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