その他内水面養殖

■概要

■養殖の位置づけ

■主な生産県

■生産量推移

■ぼら (ボラの川養殖)これは主として愛知県で行われている最も粗放的な無給餌養殖で、河川や水路の一部を竹スなどで区切り、ボラを主体にクロダイ、スズキ、コイ、フナを放養する。取り上げ量もボラが主体で7割弱、フナ2割弱、スズキ1割弱、その他が普通である。エサは全く与えず区切りも簡単なので、逸散、食害などにより歩留まりは低く、2年養成して5〜10%、1匹400gぐらいに成長する。愛知県海部郡の資料によれば、427haの養魚場に13石(約2t)を放養し、167.25tの生産が記録されている。

■どじょう ドジョウの養殖は、稚魚期におけるへい死率が高いことと、天然産のものが市場に出回っていることなどから、いまだに広く行われていない。人工採卵に用いる親魚としては、産卵期4〜7月、盛期の5月下旬〜6月下旬に、天然産の体長7〜15センチのものを採捕後出来るだけ早く使用する。雄は雌より胸ビレが細長く先端がとがっており、背鰭基部左右に1対の隆起線があるので、雄雌の区別は容易である。雌は腹部が大きくて柔らかく、肛門部がやや赤みを帯びて膨れているものを選んでホルモン注射による採卵を行う。

この方法は、雌一尾に対し市販の生殖線刺激ホルモン100単位の粉末を0.1〜0.2mlリンゲル液に溶かし、腹腔内に注射する。水温25度で注射後10〜20時間経過すると採卵できるようになるので、ときどき腹部を軽く押して採卵できるかどうかを確かめる。ビーカーか時計皿の上に絞り出した卵の上に、精液をスポイトでかけて卵と混ぜ合わせる。卵は、沈性粘着卵であるので、水中で魚巣(シュロ皮を木枠に張ったものやすりガラス板)に均一に散布して付着させる。

受精卵のふ化は、止水中か流水中で行われ、水温25度前後で受精後約40時間程度でふ化する。ふ化し魚の飼育には、長さ2〜3m、深さ30cm程度の内壁のなめらかな水槽が適している。収容密度は2000〜4000尾/m2が適当で、初期餌料としてはワムシや小型のミジンコを与える。これらの入手が難しいときには、粉末配合飼料を1日数回与える。普通、ふ化後10日ほどで体長5〜10mmの種苗サイズに生長する。

ドジョウは水田を利用して、粗放的に養殖することもできる。この場合、ドジョウが逃げ出さないように水田のあぜを改良するとともに、魚だまりを数カ所作っておく。また放養量が少ないので、無給餌の場合が多く、ときどきさなぎ粉、魚のあら、野菜くずなど水田数カ所に投げておくぐらいである。

■なまず ナマズの養殖は、現在まで全くと言ってよいほど試みられていなかった。まだ試験段階ともいえるが、埼玉、茨城県などの農家では、埼玉県水産試験場の指導で、実際に養殖しているものがみられる。水田やため池を利用でき、また養鶏農家では廃鶏をエサに利用できる。いまのところ、ふ化や稚魚生産は農家では難しい面が多いが、それに挑戦し、かなりの成果を上げている人もいる。ナマズ養殖を始める前に、できればコイやキンギョなど、淡水魚飼育から手がけるべきで、その経験をふまえた後、ナマズに取り組むのが無難である。

養殖の際は、ふつう前記の埼玉県水産試験場から稚魚を仕入れるか、天然のナマズを捕らえまたは購入し、取り上げやエサの給与などに都合のよい池で飼育する。天然での産卵は5〜6月であるが、池で飼育していると時期が来ても産卵しない。このため現在は、ホルモン注射によって飼育された親魚から採卵する。人工採卵によって得た卵をふ化、飼育して、その年の秋に50〜100gの種苗に成長させ、これらを越冬させ、翌年の4月から再びエサを与えると、秋には体重300gくらいの食用サイズとなる。むろん100〜150gでも食べられるが、どんな料理にでも適する体重は約300gとしている。

■うぐい 

■金魚 

■ペヘレイ ペヘレイは、スペイン語で魚の王様の意とされ、アルゼンチンから移植された白身で美味な淡水魚である。3〜4年で200〜300g(全長30〜35cm)に達し、2年で成熟する。神奈川県水産総合研究所内水面試験場のページで非常によくまとめられています。そちらを参照してください。

◇関連リンク
 ペヘレイ index(神奈川県水産総合研究所内水面試験場)

■コレゴヌス コレゴヌスはヨーロッパ、ソ連、北米大陸の主に湖沼に生息する冷水魚である。肉は白身で美味で、漁業の対象魚となっており、稚魚の放流も行われている。特にソ連では淡水での水産業における重要魚種になっている。コレゴヌスという名前は、サケ・マスに近縁のコレゴヌス属に含まれる魚の総称で、英語ではホワイトフィッシュと呼ばれている。コレゴヌスには多くの種類があって、習性も種類によるところの変異が大きく、中には湖沼に生息する種類や、海に降りる種類もある。

体型は紡錘形で、体色は背部が青みを帯びた灰色で、体側が銀色、腹部が銀白色である。体型をニジマスと比べてみると、体型、ヒレの位置、脂ビレがある点などがよく似ているが、口が小さくて歯がほとんどないこと、ウロコは大きいことなどが違う点である。コレゴヌスの日本への導入は、1926年に米国、ソ連より発眼卵で導入されたのが最初で、その後数回行われている。現在、国内では数種類のコレゴヌスが飼育されているが、各種類に対する和名が定まっておらず、全体を総じて「シロマス」という名前で呼ばれることがある。長野県では、コレゴヌス・ペレッドとコレゴヌス・ラバレタス・マレーナという二種類について増養殖が行われており、「シナノユキマス」という愛称が付いている。現在、養殖法方が確立されているのは、この二種類のみである。

◇関連リンク
 シナノユキマス(飯田養魚場)

■チョウザメ top

◇関連リンク
 チョウザメ課長のホームページ
 チョウザメの増養殖技術に関する研究を進めています(ほくでん)

■えび エビの養殖の歴史はまだ新しく、ウナギ、コイなどのように技術や研究が進んでいない段階である。また、エビの特徴からいっても、施設や経費をかけることなく簡単に養殖することができる。養殖は天然親エビの採捕から始まる。親エビを自然ので湖沼、溜池から採捕し、産卵期まで育て、池に放流するか、産卵後親エビが出ないくらいの網目のいけすの中に放して池に入れてやる。こうしてふ化させて秋まで育て、30〜40ミリなったところで出荷すればよい。

養殖で注意が必要なのは、他の魚に食べられたり、とも食いによる目減りである。従って他の魚と同じ池にはなるべく飼わない方が良い。また、水草やソダなどで隠れ場所を作ることも大切である。また、共食いは脱皮時に多いので、特に注意する。環境条件としては、農薬の混じった水や、汚水などが入らないところであれば、どんな所でもよい。ただ、イワナなどの生息する所では水温が低くすぎ発育が悪いので、止水するなど水温を高める工夫が必要になる。

天然の池や溜池では、他の魚がいるので、水草などがたくさんあるところがよい。水草があればゾエア状態であっても隠れることができるので、外敵に襲われる心配も少ない。水草の少ないところでは、人工的に水草を入れたりソダを入れて、隠れ場所を作ってやるようにする。

■たにし 日本に住むタニシには約300種類あり、そのうち食べられるのは、マルタニシ、オオタニシ、ナガタニシ、ヒメタニシである。分布は北海道から沖縄県までと全国にわたる。山の中の湖から河川、沼までとその生息範囲は広い。好む場所は比較的水が流れている所で水温が15度以上の所が良い。水質は、透明なものよりも、黄緑色のプランクトンその他の微生物の繁殖したものがよく、水温が15度以下になると活動が鈍くなり、やがて冬眠を始める。逆に夏の高温時には、日中は泥の中に潜って熱さを避け、夜間の涼しくなったころに出てきてエサを食べ、交尾する。

タニシは、大まかにいうと1年を2つに分けて生活する軟体動物である。春の陽光で水温が15度に上昇すると、冬眠からさめて活動期に入り交尾・産卵(卵胎生=胎内で子タニシにかえして生み出す)し、生育・肥大する。産卵を終えると冬眠の準備に入る。いまひとつは、水温が15度以下に下がる10月末から11月初めにかけて冬眠(越冬)に入り、それが3月末から4月中旬まで続く冬眠期である。この時期は、生育・活動ほとんど停止し、泥中に潜っている。

タニシの寿命はだいたい5年で、たまには6年生きるものもある。暖地では約1年で親となり、交尾、産卵するが、東北、北陸などの寒地では産卵を始めるまでに14カ月ほどかかる。産卵数は、生後1年のもので30個以上で、年数を重ねるにつれて増加する。タニシには、ドジョウやウナギと同じく、逃げる習性がある。流水に逆らって上り、流れに従ってころころ転がって逃げる。また畦畔に少しでも漏水箇所があれば、そこに集まって穴を大きくし、そこから逃げる。

タニシは、自然に発生しているプランクトンのような浮遊微生物やその他の微生物、柔らかな水草や水アカ、土中の微生物などをエサとしている。養殖の場合は、これらのエサだけでは足りない。しかし一般農家では、別にエサを買い入れる必要はなく、農家の生産廃棄物を利用すれば、10アールや20アールの養殖に困ることはない。養殖用のエサは鶏糞、残飯、野菜くずなどで十分である。このことは農家の大きな強みである。ドジョウやコイの大きなものと混ぜて養殖することはできない。なぜならば、ドジョウやコイは子タニシを食ってしまうからです。

■あおのり 

■さわがに 日本では唯一の純淡水産のカニで、分類学上は甲殻類、十脚目、短尾類に属する。生息範囲は広く、ほとんどの山間地に見られる。自然破壊が進んだところほどその数は少なく、中には皆無の状態のところも多い。生息地は、沢や山のじめじめしめたところを好み、大きな石の下や地中に穴を掘って住んでいる。穴は深い場合は3〜4メートルもあり、入り口はひとつでも途中でいくつも枝分かれして何十匹、何百匹も住んでいることがある。産卵は普通年1回で、その栄養や環境条件がよいほど交尾、産卵は早くなる。温度が10度以下に下がると、凍結しないところまで穴を掘って冬眠し、4月ころに冬眠からさめて活動を開始する。

特性の第一は体色が異なることである。真っ黒に近いもの、焦茶のもの、赤と黒のもの、朱のもの、白または灰色、ごく少ないが、緑・黄・水色のものまである。見た目にもかわいらしい赤い色、いわゆる商品価値の高いものは、限られた地域にしか見られない。黒の地区には黒しか産しない。赤い地区産のものを持っていっても、短期間でその土地の色に変わってしまうし、生まれるものもその土地の色を表す。サワガニの体色は人為的に変化させることはできない。しかし黒色などのものでも熱を加えると赤くなるので、加工には差しさわりない。

 特性の第一には、環境に対する感度である。暑さに弱く冷たさに強い。また湿気を好むが、水中の酸素が少なくては生存できない。乾ききった所でも短時間なら生息できるし、温度が低い受ければ数日間は死なない。養殖するにあたっては、この特性を絶対に忘れてはならない。サワガニには農薬や工場排水に汚染されていない清水を要求するが、水量は多くを要しない。気温、水温を10度から20度くらいに保てる所では、充分ぬらしておくだけでよく、水をたたえておく必要はない。極度に温度が高かったり低かったり場合は、水温によって調整するために湛水することもある。普通、最も大きい被害をもたらすのがイタチである。一夜池に入ると、甲殻の内部のみを食い荒らし数百に及ぶ被害が出る。イタチのほかネズミ、イノシシなどが入り込まない設備をしなければならない。