谷崎潤一郎「細雪」は1940(昭和15)年頃の芦屋の上流階級姉妹の物語である。1938(昭和13)年の阪神大水害に関する詳細な記述などもあるが、主人公の姉妹達が大阪船場の老舗の出自ということもあって、神戸との縁はあまりなさそうに思っていた。ところが読んでみると、神戸の街がかなり頻繁に出てくる。もっとも筆者が生まれるより10年以上も前の話であり、その間に戦災もあったわけで、必ずしも筆者の知っている神戸とは言えないのであるが、それでも少年期を神戸で過ごした者の土地監に反応するものがかなりある。
 一方、「地図で見る神戸の変遷」(財団法人日本地図センター)には1935(昭和10)年頃の神戸の地図が収録されているので、これによって「細雪」の神戸のクリッカブル・マップを作って見た。ただし、現在は神戸市に編入されている東灘区や須磨、有馬などはとりあえず除き、「本来の神戸」とも言うべき中央区、兵庫区あたりに限定した。
 なお、引用は新潮文庫版に拠っている。

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1935(昭和10)年頃の神戸 トーアホテル 中山手通り 海岸通り、オリエンタルホテル 鯉川筋 南京町 元町 新開地、聚楽館 布引 生田神社 花隈 三宮駅 税関 楠公前 阪急会館(三宮神社) 福原 湊川 兵庫
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