アーシィの世界の概容
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アーシィの起源
アーシィ世界はもともとは太陽系世界の地球から分化した世界である。これはアーシィの世界が地球の文化的な背景を持ち、地球文化と平衡して発展を遂げたことを意味すると同時に、ある時期からその地球の文化的な発展の方向性と異なる独自の進化を始めることになるということである。つまり、アーシィは地球と酷似した環境でありながら、それは逆に決定的な部分で異なったものである。
アーシィは地球の似姿として生まれ、アーシィと地球とは対になって、双子宇宙泡と呼ばれる部類に属するものであった。対になる双子宇宙泡はお互いに影響を受けながら、ほとんど同じ環境を持ち、同じ発展を遂げるという特徴があり、一方で起きた大きな事件が、他方に影響を与え、連鎖反応的にもう一方の宇宙泡でも起きるということが報告されている。このような双子性はお互いがお互いに対して同質であるということを最も重要な課題として、相互に同一化を図ろうとする。実際に、宇宙泡同士は密接に結びあい、区別することは非常に困難である。たとえば、私たちの半身がひとつの宇宙泡であるとするならば、もう一方の半身が双子の宇宙泡であるというような関係が維持されるのである。余談であるが、地球は非常に双子宇宙泡の多い世界であると報告を受けている。つまり、アーシィに限らず、すぐそこに全く別の可能性をもった世界が存在したとしてもおかしくない世界なのである。
話を戻して、しかし、アーシィと地球の双子性宇宙泡はやや特殊な場合に差異が存在し、そのことが後に決定的に地球文化と異なる独自の発展を遂げることとなるきっかけとなった。この特殊な事情というのはつまり、本質的な意味では地球とアーシィは完全な双子宇宙泡ではなかったということである。地球は太陽系宇宙泡と呼ばれる太陽を中心とした惑星群という大きな宇宙泡の中に存在し、地球は太陽系の一部である。地球は地球単体で泡意思をもつ存在であるが、同様に太陽系全体としての所属、太陽系宇宙泡というさらに大きな宇宙泡の中に所属しているという意識の方が強力であり、地球そのものがもつ泡意思は全体に比較すればないも同然である。これに対して、アーシィ世界はこの太陽系宇宙泡の中の地球という一部分にのみ焦点をあてて、双子性を保持していたのである。この所属の違いはある段階までは直接的に地球とアーシィの世界の未来を決定的に分かつものではあり得ないのであるが、ある水準まで科学技術の発達が発達したとき、その差が決定的なものとなりうるのである。
これはひとえに、アーシィ世界の領域の限界が極めてデリケートに生じてしまうという点に集約する。つまり、地球であれば、宇宙進出をすることによって、新たな開拓の地域を確保することができ、それに伴い多くの事業が新たに立ち上がる可能性をもっている。それにもかかわらず、アーシィではアーシィ世界そのものは大気圏からいくつかの衛星を発射する程度の宇宙開発に終始してしまい、宇宙空間は極めて有限なものとなっている。他の時空から光線が注ぎ、その光は多くのエネルギー補給に影響を与えてもらえるものの、そのような外の世界に今まで以上に干渉を行うとしたら、アーシィ世界の人々は莫大なエネルギーを支払う必要があるということである。
つまり、どういうことかというと、アーシィ世界は地球と違い、太陽や水星、火星といった地球外の大きな惑星に対して比較的容易に探査したり、また、その世界と交流することが可能であるのに対して、アーシィはその惑星アーシィの外にはアーシィに付き従う衛星がいくらかあるだけでそれ以上の遠くに存在する星々と交流するには莫大なエネルギーを消費し、宇宙泡そのものを超えていかねばならないという大きな障害をもっている。
また、現時点で宇宙泡跳躍に必要な科学力も魔法技術も存在していないというのがこの世界の特徴である。ゆえに、アーシィは必然的に外的なエネルギーの放出先であるはずの宇宙という空間が極めて限定的であるために、そのエネルギーが向かう先は常にアーシィ世界そのものということなるのである。このことは、つまり、もてあました余剰生産物を何かしらの形で、奪い合う戦争への歯車となって動き出すこととなるのである。